サッカースパイク

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首都圏周辺で飼い犬同伴の旅行客が増え、一緒に泊まれるホテルや旅館が人気を呼んでいる。「家族の一員」として室内で飼う傾向が強まっていることも背景にあるという。観光地は誘客に力を入れる一方で、トラブルにも頭を悩ませる。  「走れ!」。ドッグランに飼い主のかけ声とともに14頭のサッカーシューズ シベリアンハスキーの鳴き声が響く。5月の休日、清里高原(山梨県北杜市)の犬同伴専用ペンション「ボスケット」。ひとしきり遊んだ犬は、飼い主に連れられて客室に入っていった。  東京都瑞穂町の主婦小山広美さん(48)は龍之介(6)と辰之介(1)サッカースパイクの2頭と宿泊。犬用に買い替えたミニバンで約2時間半の清里高原は近くて涼しいお気に入りの場所。「この子たちを置いての旅はあり得ない」  このペンションは浴室以外のすべての場所で飼い主が犬と過ごせる。玄関には犬の脚洗い場があり、食堂はテーブルごとに犬のリードをつなぐフックがある。ベッドカバーは厚手の防水タイプ。「旅の時間は限られる。常に一緒にいられるように」と西尾昌浩オーナー(41)。昨年の宿泊客は約1500人。開業した2010年の約2倍という。  犬同伴旅行サイト「ペット宿ドットコム」の運営会社「ぐらんぱう」(神奈川県藤沢市)によると、サイト開設時の1999年に掲載していた宿泊施設は全国で約170軒だったが、いまは約800軒。首都圏周辺で施設が増え、利用者も東京、埼玉、千葉、モンスタービーツ神奈川の1都3県が多いという。  同社の藤野宇一郎社長は「室内飼いが増えて家族意識が強まり、犬との旅行は確実に普及している。都会のコンクリートの上だけでなく自然の中を走らせてあげたいという飼い主が増えている」と話す。